2023年9月19日午前9時20分ごろ、東京 中央区日本橋のビルの建設工事現場で鉄骨が倒れました。
この事故で作業員の男性5人が巻き込まれ、このうち30代と40代の2人が死亡し、1人が意識不明の重体になっています。このほか20代の男性作業員2人がけがをしましたが、意識はあるということです。
倒れた支柱の鉄骨はおよそ15トンあり、支柱が倒れた際に死亡した2人を含む4人が7階部分から3階部分に転落したとみられています。
この事故の現場はどこなのか、また建設会社や建設予定のビルはどんなビルを予定していたのか、調査してみました。
東京日本橋ビル事故工事現場はどこ？
報道では現場は、東京駅から約200メートルの、八重洲通り沿いとのことでした。
しかしNHKの情報によると、
現場は、東京駅八重洲口の正面に位置する地上51階建ての複合商業施設の建設現場です。
引用：NHK
東京駅八重洲口正面をグーグルマップで調べてみると、工事途中の画像が見つかりました。
壮大な土地ですね。
地図ではこのようになっています。
ここは東京駅前の再開発事業として進められていて、2021年に着工し、2025年の完成予定に向けて工事が進められています。
ホームページによりますと、建設中のビルにはオフィスフロアのほか、国際会議を開催できる会議場や、演劇やコンサートを開催する劇場、それに、商業施設が入るフロアなどが設けられることになっています。
施工会社は大林組と大成建設の共同体制
こちらのビルは大林組と大成建設の共同企業体制だそうです。
大林組と大成建設と言えば最大手ですが、以前もこのような事故はあったのでしょうか？
そもそも、『建設業の3大事故』というものがあるそうで、それは以下の三点だそうです。
- 墜落・転落災害
- 建設機械・クレーン等災害
- 崩壊・倒壊災害
今回は該当しますね。
まずは大林組の事故歴について調べてみました。
大林組の事故歴
新しい記憶だと、2020年の10月13日に、横浜駅前の超高層ビルの建設中に作業員が生き埋めになってしまった事故がありました。
JR横浜駅前で建設中の超高層ビルの現場で、2020年10月13日に発生した死亡事故。 掘削作業中に土留め壁面から土砂が流出し、60代の男性作業員1人が巻き込まれて亡くなった。 施工者の大林組などは翌14日、同社のウェブサイト上に謝罪文を掲載した。 事故原因は神奈川県警が調査中だ。
引用：日経XTECH
また2021年には、
大林組が復旧工事を進めている千曲川の護岸で、約1万3000カ所の施工不良が判明した。発注者の国土交通省北陸地方整備局が2020年12月28日に発表した。両者は越年して対策を検討している。
引用：日経XTECH
施工不良が見つかったり、2019年にも、
2019年10月に襲来した東日本台風で被害を受けた千曲川護岸の復旧工事で、大林組が行った工事で、法覆ブロックの段差や目開き、胴込めコンクリートの充填不足などが多発していたのです。段差や目開き、目地の施工不良は9123カ所、胴込めコンクリートの充填不足は4348カ所に達していました。
引用：日経XTECH
施工不良が見つかるなど、大きな事故ではないものの、数多くの不良案件があります。
どの件も未然に防げたもので、大林組のずさんな管理が問題になりました。
大成建設の事故歴
大成建設では、2017年8月に3人の死者が出る大きな事故がありました。
1人の作業員が５階のエレベーター設置予定場所で内壁の基礎工事をしていたところ、畳１〜２畳ほどの足場の鉄板が外れて約２５メートル下の地下３階に転落。
他の2人も巻き込まれ地下３階まで転落したとみられる。
室内作業だったため、いずれも安全帯や命綱を付けていなかった可能性があるという。
引用：産経新聞
この事故は、鉄板が外れ落下したことが原因とされており、今回の事故と共通点がありそうです。
また、2021年にも大成建設施工の同愛記念病院で床が抜け、作業員1人が転落し、亡くなっています。
事故以外にも、2017年に新国立競技場の建設工事に関わっていた当時２３歳の男性が過労自さつした。
「大手は不況のあおりで、新規採用を手控えている。人員削減を進めた結果、現場の監督者さえも派遣社員に任せるケースが増えています。派遣社員だと現場の事情を把握できない上、頻繁に交代するので、結果的に現場での意思疎通に支障を来す。車両の重みで鉄板が抜けたのなら、『ここに重量物を置くな』といった注意書きが掲示されていなかったのではないか。事故の原因は、監督不行き届きだった恐れがあります」（森山高至氏）
引用：日刊ゲンダイ
このような理由で事故が多発していることが指摘されていました。
今回はどのような背景があったのでしょうか。
現在は大林組も大成建設も、「状況を確認中」とコメントしています。
状況が分かり次第また追記させていただきます。
世間の声
「地震だと思うほどの地響きや爆音だったそうです。
15トンもの鉄筋が落ちてくる衝撃は想像を絶しますよね・・・。
お亡くなりになった方とご遺族の方には、本当に、心よりお悔やみ申し上げます。
二度とこのような事故が起きないよう、原因を徹底追究していただきたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。